母のおせち

みなさま、お正月はそれぞれのご家庭のおせちを囲んで楽しい時を過ごされましたでしょうか?
私は今年もたっぷり「母のおせち」での3日間でした。

DSC08466.jpg

この母のおせちは、わたしが子供の頃からずっと同じもの。
母は景気が良いとか、何か特別な事がある年とかいう理由で豪華にしたり、いつも同じじゃつまらないからと言って突然ガラッと変えたりした事ありません。そして歳をとって準備するのが大変になってからも、丸ごと出来合いを買うなどとは考えもせず、少しは内容の入れ替わりはあったかもしれないですが、それが判らないほど毎年作り続けている定番中の定番の品々です。

今年90歳になる母は、もう来客やクリスマスのようなイベントに腕をふるって料理する事は無くなりました。でもおせち作りだけは、誰に相談することもなく、昨年も28日になったら自分でさっさと買い物に出かけて、作り始めて31日の夜遅くまで台所にひとりこもってマイペースで作り続けています。「いいの、疲れたら休み休みやるから。」と言って全く助けも求めてきません。

長くお正月に帰省しなかった時期があった私は、福岡に戻った今もこのおせち作りには参加せず、たまにチラッと様子を伺うだけ。母も特に伝えたいという気持ちもないらしく、「わたしが居なくなったら、あなたのを好きに作ればいいのよ。でもここで一緒にお正月をするならおせちはこれよ。」と言います。

DSC08470.jpg

元旦の朝、お祝いをして、お雑煮を食卓に運び終えたら、母の顔はちょっとの安堵と「今年もやりましたよっ!」という満足気な笑顔をたたえて「よっこいしょ」と言って座ると直ぐに、今年のおせちに加えた工夫点などを話します。隣に座っている兄をつついて「ぜんぜん、いつもと同じやん。」と言うと「なぁ~」という返事。

そして、3日目の夜には完食。
「ああ良かった。今年もピッタリ三が日で終了」と、再び満足そうにお嫁にきた時から使っているお重を片付けている母。そんな姿を見ていると、あと何度こんなお正月が迎えられるのかな?とふと切なさが胸をよぎったりもします。けれども直ぐに今年もいつも通りの三が日が穏やかに終わっていく「今」への感謝の方が強くなってきて、「さぁ明日から始まる毎日、今年も頑張るぞ!」という気分にさせられるのでした。そして。

「来年もまた、ママのおせち食べさせてね」と声には出さず、母の背中に語りかけました。

DSC08472.jpg


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。